借金コラム

無職でもお金を借りられる方法とは?

一般的に、安定した収入がなければお金を借りるのは難しいと言われています。しかし無職であっても完全に諦める必要はありません。条件は異なりますが、安定した収入がなくてもお金を借りられる方法はあります。審査において雇用を重視していない方法を使ったり、担保を用意したりするなど、自分に合った方法を探してみましょう。

有担保ローンを利用する

ローン商品には大きく分けて二つの種類があります。まず本人の信用力を元に融資を行う無担保ローン。こちらは確実にお金を返す経済力が不可欠になるので、無職の人が利用するのは難しいと言って良いでしょう。もう一つは担保を用意してお金を借りる有担保ローンです。有担保ローンは万が一返済が滞った場合、金融機関は担保を売却しお金を取り戻すことができると考えるので、無職など信用力が低くてもお金を借りることができます。

有担保ローンを利用するには、担保になるものを持っていなければなりません。例えばゆうちょ銀行の口座にお金を預けているなら、自動貸付制度を利用してお金を借りることができます。これは通常貯金が残高不足になったとき、その不足分を自動的に貸し付けてもらえるという制度です。定期貯金、国債、財形貯金の三つを担保にすることができるので、これらを持っている人は利用すると良いでしょう。ゆうちょ銀行の自動貸付は金利が低く、貸付限度額が預入金額の90%なので返せなくなるほど借金がふくらむおそれがありません。

土地や建物といった不動産を所有しているなら、それを担保に「リバースモーゲージ」を利用することができます。これは生活資金が足りない高齢者を対象に作られた制度で、不動産評価額の5割程度まで借り入れできます。リバースモーゲージの特徴は、所有者の死後、不動産を売却することで借金を返すという仕組みにあります。そのため、支払いに追われる心配がありません。相続する人がいない不動産を持っている人で、そのまま自宅に住み続けたいという人には特にぴったりの制度と言えるでしょう。

公的年金で生計を立てている場合は、将来受け取る年金を担保にお金を借りることができます。「年金担保融資制度」と呼ばれる制度で、将来受け取る年金を返済に充てることになるため、年金の前借り制度と呼ばれることもあります。ただし借りる金額が多くなると、その分将来受け取る年金額が減ってしまうため、注意が必要です。あくまで一時的な出費に対応するための制度と考えておきましょう。また、年金担保融資制度は2022年3月末で申し込み受付が終了になるため、その点も注意が必要です。

終身保険や学資保険、個人年金保険などに加入している場合、契約者貸付制度を利用すれば保険会社からお金を借りることが可能です。これは保険を解約したときに支払われる解約返戻金を担保にした制度で、いわゆる積立型の保険に加入していることが条件になります。上限は解約返戻金の8~9割ほどで、保障は継続されるため万が一の時に備えつつお金を借りることができます。ただし近年は高額な返戻金がある保険に入っている人は少数なので、あまり高額な融資を受けることはできない可能性が高いです。また、契約者貸付制度は低金利なのですが、複利で利子を付ける特徴があるため借り入れが長期にわたると利子が膨らんでしまいます。解約返戻金を超えた借り入れとなると保険が失効してしまうため、早めに返済することが重要です。

公的制度を利用する

担保になる預貯金や不動産などを持っていない場合は、国や自治体が行っている公的融資制度の利用を検討しましょう。公的融資制度はお金に困っている人を救済するために作られた制度なので、無職であっても借り入れをすることができます。例えば生活福祉資金貸付制度の総合支援資金は、失業などが原因で収入がなくなってしまった人が利用できる制度です。保証人がいるなら無利子で1年間の借り入れができるので、その間に生活の立て直しができます。総合支援資金には、「住むところがある」「自立支援、就労支援を受けることに同意している」「他の公的給付、公的貸付を利用していない」などの条件が設けられているため、自分が該当しているか確認するといいでしょう。

総合支援資金は、用途によって借り入れられる金額に違いがあります。生活の立て直しの他、住宅入居のための費用などに充てることができるので、敷金や礼金に困っている場合は検討してみると良いでしょう。ただし申請から貸付実行までに時間がかかるため、ある程度時期に余裕を持って申し込む必要があります。今すぐお金が必要というときは適していません。

自分の条件に合わせた借り入れを考える

貸金業法では、貸金業者は利用者の年収の3分の1を超える金額を貸し付けることはできないとされています。そのため、収入がない人は基本的に消費者金融や信販会社などの貸金業者からお金を借りることができません。しかし配偶者貸付に対応している金融機関であれば、夫婦2人の年収合計額の3分の1までなら融資を行ってくれる可能性があります。なお、メガバンクは配偶者貸付を行っていないところが多いため、対応している金融機関を探しておきましょう。

就職内定者など既に企業への内定が決まっている場合は、無職であっても内定者向けローンを利用できます。これは就職活動が終わった学生を対象に作られた制度で、卒業旅行や新生活の準備のためのお金を貸し付けます。初任給が企業から支払われるまで、元金の返済が免除されるという点が大きな特徴です。

クレジットカードのキャッシング枠を設定しているなら、手続きなしでお金を引き出すこともできます。ただし、これができるのは退職を控えている状態のときで、無職になった後ではありません。クレジットカード会社の規約で、雇用形態や勤務先に変更があった場合は必ず申告しなければならず、申告をしたら改めて審査が行われます。無職になると、キャッシング枠が利用できなくなったり、クレジットカード自体が使えなくなったりする可能性も出てきます。

友人や知人を頼るときは

金融機関や公的機関からお金を借りることがどうしてもできないという場合に、最後の手段として親類や知人を頼る方法もあります。個人同士のやり取りであり、お互い気心知れた間柄であれば、審査が必要になったり、多額の利子が発生したりすることもほとんどありません。条件によっては即日お金を借りることができるでしょう。だからこそ親類や知人を頼る際は注意が必要です。金融機関などにお金を借りるのとは違い、親類や知人などの個人間でお金のやりとりをすることは、人間関係などに少なからず影響を及ぼします。返済に間に合わないなどのお金のトラブルが人間関係のトラブルに発展することも大いにあり得ることを自覚する必要があります。

そもそもお金を借りたいと言った時点で、相手からの印象は悪くなります。人間関係や信頼関係を維持するには、誠実な対応を心がける必要があります。まず、親類や知人にお金を借りるときには、お金が必要な理由や自分でお金が用意できない状況など、事情をくわしく説明する必要があります。さらにどんなに親しい間柄であってもお金を貸し借りする場合には借用書を作成しましょう。借りる金額やお金を借りた日付、利息の有無(利息がある場合には利率)、返済期限や返済方法などを記載します。借用書をきちんと作成することで当事者同士の意思を明確にし、証明することができるため、後々のトラブルを回避にもつながります。借用書の原本はお金を貸してくれた相手、コピーはお金を借りた人が持ちます。正式な書類として「金銭消費貸借契約書」を作成するのもおすすめです。

お金を借りるときの注意点

とにかくお金が必要だから、と安易な行動に走るのはやめましょう。その時は良くても、後々自分の首を絞めることにつながるかもしれません。まず気をつけたいのが、金融機関のローン申し込みに虚偽の申告をすることです。そもそもうその情報を申告したとしても必ずバレます。すると「この人はうそを吐く人だ」と信用を失い、悪質だと判断されれば社内ブラック扱いになり、今後一切融資してもらえなくなる可能性もあるのです。また、融資実行後に重大なうそが発覚した場合、契約の前提条件が崩れてしまうため、融資したお金を一括返済するよう求められる可能性もあります。余計なトラブルを背負い込まないためにも、ローンは正確な情報を元に申し込むことが大切です。

無職でお金に困っていると、「誰でも借り入れ可能」「審査なし」といったうたい文句に引き寄せられてしまう人もいるでしょう。しかしこういった広告を出している業者は違法業者の可能性が高いため、利用してはいけません。そもそも、銀行以外で個人にお金を貸すことができるのは消費者金融やクレジット会社といった貸金業者だけで、貸金業を行うには金融庁に認可されなければなりません。しかし貸金業者として登録を行わず、違法に貸付を行ういわゆる「ヤミ金業者」が存在し、銀行や貸金業者から融資を受けられない人を食い物にしようとしています。

無登録のヤミ金業者からお金を借りてしまうと、法外な利子請求や、親族や知人を巻き込んだ、強引な取り立てなどのトラブルに巻き込まれる可能性が高くなります。電話やダイレクトメールで、無職の人を相手に融資を勧める業者には注意しましょう。お金を借りるときには、サイトなどに貸金業登録番号が書かれているか、その貸金業登録番号が本物かどうかを確認しましょう。また、連絡先が携帯電話のみの業者からもお金を借りてはいけません。

自分に合った方法を探そう

無職であっても、お金を借りる方法はいろいろあります。大切なのは自分に合った方法を見つけることです。生命保険や不動産などを所有している場合はそれを担保にお金を借りることができますし、条件が合えば公的な支援を受けることが可能です。無職で金融機関や銀行からお金を借りづらい人はヤミ金業者に狙われやすいため、安易なうたい文句に飛びつかないことも大切です。