借金減額シュミュレーターというサービスをネット上で目にする機会が増えてきました。特に借金がある人にとっては興味を引く一方、料金はいくらかかるのか、安全なサービスなのか、どこが提供しているのかといった疑問点や不安も多いことでしょう。この記事では、借金減額シュミュレーターの概要や運用元、利用方法をご紹介していくとともに、そのメリットやデメリットについてもまとめていきます。
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借金減額シュミュレーターの概要とお勧め利用者
ネット上の記事や広告で見かける借金減額シュミュレーター（別名：借金減額診断）とは、弁護士事務所や司法書士事務所が運営している借金減額の簡易診断ツールです。ほとんどの場合、匿名且つ無料で利用できるようになっており、わざわざ法律事務所へ出向かずとも自身の借金減額の可能性や問題解決への道筋を探ることができます。シュミュレーター利用者はその診断結果を受けて、そのままサービス提供元の法律事務所に債務整理などの減額手続きを依頼することも可能です。
減額シュミュレーターの目的と役割
借金減額シュミュレーターは、法律事務所による広告の一形態と解釈することができます。では、なぜ多くの法律事務所はシュミュレーターという手段を用いて、借金減額手続きの広告にしているのでしょうか。それは借金減額の有用な情報を利用者へ提供することで、相談への心理的・物理的ハードルを下げ、正式な依頼へとつなげやすくするためです。実際、日常的に借金を抱える人々は多額の借金を周囲に知られるのを心配しており、また多忙で暇がない、法律事務所の利用は費用が高額なイメージといった理由でなかなか借金返済への相談に踏み切れないのが実情です。しかし、オンラインのシュミュレーターを頼れば、誰もが数分の空き時間を利用して人知れず自身の借金に関わる状況を把握することができます。また、法律事務所にとってもより広い範囲から借金に困っている人々のニーズを拾い上げることが可能です。このように、借金減額シュミュレーターは借金返済に悩む人々とそれを手助けしたい法律家を効率よく橋渡しする役割を担っています。
どんな人が利用すべきか
それでは、借金減額シュミュレーターの利用者はどんな人々が対象となっているのでしょうか。シンプルに言えば、日頃から借金返済に悩む人々が対象になりますが、中には多重の借金を抱えながら事態の深刻さに無自覚なケースもあります。さらに、借金減額手続きは事態が深刻化する前に着手するほど返済総額を抑え、早期解決を図りやすくなるのが特徴です。そうした点を踏まえ、借金減額シュミュレーターの利用を検討すべき人の特徴は次の通りです。
まずは返済総額のほか、全部で何社から借りているのかを把握できていない人です。これは、自身の現在地を見失っている極めてハイリスクな状態にあります。借金減額の可能性を調べるのはもちろんのこと、まずは自身がどういった状況にあるのかをシュミュレーターを通してきちんと整理する必要があります。次は、コツコツ借金返済を続けているのに、一向に返済総額が減らないという人です。こうしたケースは返済意欲は確かですが、金利が負担になっている可能性があります。普段の返済実績を確実に成果へと結びつけるためにも、シュミュレーターを通して一度状況整理を行いましょう。
続いては、月々の返済に収入のほとんどを費やし、生活が非常に苦しいという人です。こうした場合、返済自体は進んでいますが、生活費を切り詰めた状態が長期に及ぶのはできれば避けたいところです。やはり状況に適した減額方法がないか、シュミュレーターで一度検討した方が良いでしょう。最後は、借金返済のために繰り返し借金をしているという人です。これは完全なその場しのぎに過ぎず、おそらく借金を重ねる度により高い利率を課せられるという典型的悪循環を招いています。1日でも早くこの流れを断ち切るべく、適切な減額処理や返済プランを模索していくべきでしょう。
借金減額シュミュレーターの一般的な入力項目を確認
ここでは、実際に借金減額シュミュレーターを利用する際にどういった情報を入力することになるのか一通り確認していきましょう。運営企業により、必要な記入事項やその順番は多少異なりますので、一つの目安として参考にすることをおすすめします。
記入が求められるのは借入金額、借入社数、毎月の返済額、最初に借入をした時期といった項目です。減額シュミュレーターはあくまで相談の前段階としての簡易診断ツールですから、金額や会社数などは予め指定された範囲を選択する形式がほとんどです。そのため、正確な数がわからなくても、該当するであろうと推測される選択肢を選んでおけば問題ありません。こうしたスタンスを採用することで、初めて借金問題を相談する予定の人でも気軽に入力を進められるようになっています。また、意図して事実と異なる情報を記載した場合でも、実際に減額手続きを進める際には虚偽とわかってしまいますので、なるべく実情に沿った内容を入力しましょう。
続いて、診断結果を受け取る連絡先を記載します。ほとんどが匿名対応のサービスになっているため、苗字などの記入欄があっても本名ではない仮名の記載で問題ありません。一方、メールアドレスと電話番号は必ず記入する必要があります。また、性別や雇用形態（正社員・契約社員など）を選択式で入力する場合もあります。
以上が、一般的な借金減額シュミュレーターでの入力事項です。極めて簡易的な情報提供で診断してもらえるということがわかったのではないでしょうか。前述したように、シュミュレーターの運営を行うのは弁護士・司法書士事務所ですから、提供した情報が流出して悪用されるようなリスクは低いです。ただし、それでも不安な点が多いという場合は必須事項のみなど、最低限の情報を送信することをお勧めします。
借金減額シュミュレーター利用時のメリット
借金減額シュミュレーターには、次のように実に様々なメリットがあります。
最低限の個人情報のみで利用できる
誰しも必要以上に個人情報を提供したくないのはもっともですが、多くのシュミュレーターでは個人の借金情報とメールアドレス・電話番号のみで利用することが可能です。実質的に、オンラインでアンケートを提出するのと同じような感覚で記入できるのは安心でしょう。
現状どれくらい借金減額できるか無料で把握できる
一昔前までは、借金減額の可能性などを調べてもらうには実際に法律事務所へ出向き、対面で相談しない限りは実現しないことでした。そうした場合、相談料などが発生するケースも多かったと考えられます。しかし、シュミュレーターは目安の金額とはいえ、無料でその診断結果を提供してくれますので便利です。
利息の過払い金の有無が分かる
シュミュレーターの利用により、過払い金の有無を知ることができます。過払い金はだいたい2007年以前から借り入れていた人が該当しますが、利息の過払い分が判明した場合、合法的な手続きを経て取り戻すことが可能です。
周囲に知られず借金完済への第一歩を踏み出せる
借金問題を抱える人は周囲に内緒で借金を膨らませ、自分だけではどうしようもない状況に陥っているケースが目立ちます。そんな中、法律事務所に通い続けていては、家族などの身近な存在に異変を悟られてしまうリスクも高まるでしょう。借金減額シュミュレーターを使えば、プライベートな空間で相談や手続きを進めることができます。また、最近では減額診断後の法律家とのやり取りについても、ビデオ面接で対応してくれるケースが増えています。
診断利用履歴がブラックリストに載らない
借金減額シュミュレーターを利用したからといって、その使用履歴や入力した借金額がブラックリストに回されることはありません。減額診断だけで自身にマイナスな影響はありませんから、その点は安心して情報提供できます。ブラックリストに載ってしまうのは、債務整理などの法的手続きを済ませた後のタイミングです。
場所や時間に囚われず利用できる
本来、法律事務所に通うだけでも多忙な人はなかなかスケジュール調整が容易ではないでしょう。オンラインのシュミュレーターなら、実質24時間気が向いたタイミングで借金の減額の可能性を診断してもらえます。また、借金問題に明るい事務所が近隣にないという人でも、距離に関わらず信頼できる法律事務所の診断を利用できます。
診断結果を受けて、正式に依頼するかどうかを検討できる
減額シュミュレーターを使っただけで、そのまま事務所で減額手続きを依頼することが決まるわけではありません。診断結果や法律家のアドバイスを踏まえ、実際に依頼するかどうかは本人が最終的に判断して問題ありません。よって、借金にお手上げ状態の人だけではなく、返済の当てはあるがどれくらい減額可能なのか知りたいといったお試し感覚で利用するのも良いでしょう。
借金減額シュミュレーター利用時のデメリットや注意点
続いて、借金減額シュミュレーター利用時のデメリットや注意すべき事項をご紹介していきます。
1度の診断で正確な金額が出るわけではない
シュミュレーターの算定は過去の事例などを参照するため、送られてくる診断結果はあくまで目安上の金額です。正確な金額はその後、弁護士や司法書士と具体的に相談を進める中で判明してきます。シュミュレーター本来の趣旨は、短時間で大まかな減額可能額を利用者に伝える点にあります。
対象外の借金や未払金もある
借金減額対象となるのは消費者金融、カードローン、キャッシング、クレジットカード支払いといったものです。一方、住宅ローンや税金未払い分などは法的手続きの対象外ですので、減額診断においても同様に考慮されません。
悪質な偽サイトに注意
既述のように、借金減額シュミュレーターは大手法律事務所などが運営しているため、提供した個人情報が悪用される心配はありません。ただし、借金減額診断を装った偽サイトを公開し、不正に個人情報を入手しようとするケースなどには十分注意が必要です。減額シュミュレーター利用前には、どの法律事務所の運営かを確認するとともに、サイトドメインなどもチェックしておくと、偽サイトに引っ掛かるリスクは軽減できるでしょう。
借金を合法的に減額する方法
シュミュレーター利用後、実際に借金減額手続きに入る場合、どのような方法があり得るのか整理しておきましょう。
債務整理
債務整理とは、自力では現状の借金を返済できないことを法的に認めてもらう手続きで、法律の専門家の力を借りて借金減額や返済の猶予を決定します。中でも、最も一般的な手続きは任意整理と呼ばれ、弁護士らが債権者と交渉し、利息カットや返済可能な水準への減額を目指すものです。各々の状況や交渉次第ですが、通常3～5年の弁済期間で和解することが多いです。
個人再生という債務整理方法では、裁判所へ債務減額の申し立てを行い、認められれば原則5分の1にまで債務をカットすることができます（弁済期間3～5年）。また、住宅などの財産を失うこともありません。自己破産手続きの場合は、裁判所に破産申立書を提出し、認可されれば借金を全額免除してもらえます。ただ、その決定と引き換えに、一定以上の価値がある財産は手放す必要があります。
過払い金返還請求
過払い金返還請求とは、過去に払い過ぎた利息分が返還される制度です。この制度の背景には、かつて出資法の上限金利が改正されるまで利息制限法の上限を超えた利率（グレーゾーン金利）が適用されていたという事情があります。よって、このグレーゾーン金利が存在した期間に借り入れた債務者には、超過払い分が戻ってくる可能性が残されています。
おまとめローンなどを利用する
おまとめローンとは、借入先を1カ所に絞り込むことで、数カ所に分散していた状態よりも実質年利を低く抑える方法です。これは弁護士らが直接関わる手続きではありませんが、金利低下分、返済総額を安く抑えることにつながります。また、複数をまとめるのではなく、1つの借入先からの借金をまるごと返済してもらい、別のローンを借りなおす方法を借り換えローンと呼びます。両者とも多少仕組みは異なりますが、利息を低く抑えるという目的は同じです。事前に審査を通過する必要があるとともに、金利の比較判断を誤るとかえって損をするリスクがありますので注意しましょう。
借金に困っているなら借金減額シュミュレーターを活用しよう
ここまで見てきたように、借金減額シュミュレーターは気軽に利用できるサービスということが実感できたのではないでしょうか。費用がかかるわけでも、契約が必須なわけでもありませんので、借金の現状が気になる人は試してみると思わぬ有用な情報が得られるかもしれません。サービス提供者は法律専門家である法律事務所ですので、信頼性も十分です。ぜひ借金減額シュミュレーターを活用して、完済への第一歩を踏み出しましょう。
